さて、前回第12章の記事で、区分マンション投資の説明をしましたが、今回は「新築区分ワンルームマンション投資」について話をしたいと思います。
私は2012年に2室購入しました。その時の収支、そして最後どうなったのか!?というところまで含めて説明をしたいと思います。
この記事を読めば、
- なぜ新築区分ワンルーム投資はぼったくりと言われるのか?
- 本当に買ってはダメなものなか?
- 買ってしまったけど、この後どうすればいい?
といったことがわかるようになります。それではLet’s get started !! #急に英語
新築区分ワンルーム投資の概要
言葉を分けてみましょう!
「新築」:まだだれも買ったことがない、住んだことがない物件を買うことになります。当然ですが、建築した建築会社や、企画をした不動産業者の利益が乗っかっています。そうでなければこの商売は成り立ちません。
「区分」:一棟物や戸建とは違い、他にも別の世帯が住む集合住宅(マンションやアパート)の一室を買う投資です。マンションの管理組合が決めた、大規模修繕積立金や管理費を毎月経費として支払う必要があります。それ以外に管理に手がかからない、とも言えます。
「ワンルーム」:独身者用の部屋になります。ファミリーに比べると入退去の頻度が高く、退去のたびに原状回復や新しい居住者を住まわせるために募集に必要な広告費を支払う必要が出てきます。一方でファミリーに比べると、需要は多く場所によっては、入居者を集めやすいという見方もできます。
新築区分ワンルーム投資が良くない理由
さて、新築区分ワンルーム投資がNGの投資として言われている理由をここであげていきます。
不動産投資として資産を増やす攻めの投資にはならない
・業者の利益がのりすぎている場合がある
企画した業者もしくは企画した業者が売り出したものを他の業者が仲介して買うケース故、必ず企画した業者の利益が物件価格には含まれています。これはしょうがないことです。ただ、これが高すぎるケースがあるので要注意です。
・区分投資ゆえに、毎月の経費が固定化されており、経営努力を反映しにくい
大規模修繕積立金や管理費は、購入した一室が所属するマンションの管理組合に支払うものであり、これを変えることはできません。自分でマンションのエントランスを掃除しようがDIYしようが、この費用が下がることはないのです。
・ワンルームゆえに、退去頻度が高く原状回復(ハウスクリーニング含む)や広告費等の費用がかかる
これもしょうがないところではあるのですが、どうしてもかかってきます。ただここに関しては自分で入居付けをする、DIYでハウスクリーニングをできるだけする、など努力シロはあると思います。
・区分のワンルームは出口が難しい
将来的に売却などをしていくことになりますが、売り先が投資家に限られるというのはなかなか厳しいですね。土地の持ち分を按分でしかないので、資産価値を土地で示すことも難しいです。
以上、4点ですが、これはある程度しょうがない部分もあるので、理解したうえで、安く買う、立地を吟味する、などすれば乗り越えられるポイントとも思えます。
市場に商品が多く、営業が素人、もしくは悪質。
多くの問題はこちらにあると思います。
市場にはたくさんのワンルームマンションが売られています。また業者もたくさんいるのが現状です。ただ、上記のように不動産投資として難しい部分が多いのは事実の「ワンルーム投資」をどうやって売っているのでしょうか?
私の見方は「何も知らない人がもっと何もわかっていない人に売っている」ということになります。それはこんな営業トークからわかります。
・「節税になりますよ」
不動産投資で出た所得と給与所得の合計を足して、所得合計が減れば、確定申告をして所属している会社経由納めすぎた所得税の還付を受けることができます。でも所得合計が減るということは、不動産所得は必然的に赤字、ということになります。
赤字出して損すれば、収める税は少なくなりますが、それは単純にお金を失っているだけです。投資してお金減っちゃダメです。
・「保険代わりになりますよ」
ローンをして購入する際の営業文句です。ローンを団体信用生命保険というのに加入するケースがあるのですが、債務者(ローンを借りた人)に万が一のことがあった場合、そのローンの返済を遺族がしなくてよい、完済したことになる、といったものです。よって遺族には借金のない状態のワンルームマンションが残ることになります。
ただ、この団体信用生命保険に入るためには、金利を少し上乗せしなければなりません。そしてその金利を払うのはあなたです。要はちゃんと保険料も納めているのです。
遺族はあなたが亡くなった後、保険金が必要な人たちですか?必要ならそれはワンルームマンションですか?それとも一般的な生命保険のお金ですか?掛け捨ての生命保険でもいいのではないですか?
保険に入るために不動産を買わなくても、生命保険に入ればいいのです。
・「ローンを完済すれば、資産価値そのままあなたのものになりますよ」
そんなわけありません!これは一番言ってはダメなのです。建物建ったその日から劣化し、基本的には資産価値は下がる一方です。
すべての新築区分ワンルーム投資がだめなのか?
さて、すべての新築区分ワンルーム投資がNGなのでしょうか?そんなことはないはずですよね。
- 業者の利益はそこそこ載っているそこそこの物件を仕入れて、
- 保有期間中は極力稼働をさせて、キャッシュフローを絞り出して
- 稼働しているうちに優良物件として売却する
これができれば、決して悪くない投資です。ただ、このような投資は難しいと言わざるを得ません。それは先述の通りです。でもでもこういう物件もあるはずです。
買ってしまった後に乗り切る方法
私は、2室新築ワンルームを2012年に買って、2020年に売却しました。
買ってしまった物件はこんな物件です
- 表面利回り3%でばりばり業者の利益がのった金額
- 入居者がついている状態で月々のキャッシュフローはギリギリプラス。固定資産税と都市計画税をなんとか払える状況
- 退去したり、修繕が発生するとすぐに単年赤字になり「節税」ができる
こんな物件でした。
ただ、東京メトロの駅から徒歩5分の立地で、これが救いでした。都心の不動産価格はリーマンショック後に買った人であれば、全員が勝っている状況です。この波に乗り2020年、買った価格の10%増しで売却することができました。
ここから学べることは、「ただラッキーだった」というだけです。
ただ、このラッキーを待つことができるのも不動産投資の醍醐味です。もし私のようなダメ物件を買ってしまった人ができることは、
「死ぬ気で稼働率をあげること」
「なんとか利回りを上げて売り抜けること」
です。稼働率を上げるノウハウや利回りを上げる小手先のテクニックはまた違う機会に書きますが、とにかくこの二つだと思います。
まとめ ダメ物件を買ってしまったあなたへ!
ダメ物件を買ってしまって絶望しているあなたへ、まとめとしてメッセージです。
「新築ワンルーム投資」そのものは単なる投資手法です。勝つ方法が全くない投資手法ではありません。ただ、それを売る営業マンがあまりにも無知だったり悪質だったりする、というのが実態です。
ただ、このような営業マンの口車に乗せられて買ってしまうあなたが(私が)一番責任があるのです!あなたには買える能力、スペック(ローン借り入れ可能)があったのに、それでクソ物件を買ったのはあなたです。投資手法を恨む前に、自分を見つめなおしてください。
自分のお金、資産は本当に大切です。私のようなブロガーの端くれだけでなく、たくさんの人が良質な情報を発信している今、とにかく勉強してください!
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