20章 レントロールの罠 騙されないためにここをよく確認!

今回は収益不動産を検討するときの判断資料であるレントロールについて記事を書きたいと思います。

レントロールとは、「誰が」「いつから」「いくらで」借りているかがわかる資料です。とても単純な資料です。でもこのレントロールは収益不動産を検討するときにとても重要な資料になります。

この資料の読み方、注意点をまとめたいと思います。

レントロールとは???

もう一度レントロールの説明をしますが、レントロールとは「誰が」「いつから」「いくらで」借りているのかがわかる資料です。物件ごと、不動産業者ごとにそれぞれフォーマットがあって、いろいろな書かれ方をしています。

時には不動産業者が隠したい情報があれば、意図的にフォーマットがいびつになっていることもあります。これから紹介する注意点を検討の際にはよ~く確認しましょう!

レントロールを読むときの注意点4選

ポイントは4つです!

  • 賃料にばらつきはないのか?
  • 入居時期が直近に固まっていないのか?
  • 家賃保証会社にちゃんと加入しているのか?
  • 敷金、礼金などの条件は?

このポイント4つというのは、基本的に「疑い」をもって確認をしましょう。レントロールに記載されている「現状家賃」を以て、「表面利回り」が計算されています。もし現状家賃を高くして、利回りを据え置くと「物件価格が高くなる」のです。

売り主の中にはなんとかこの「現状家賃」を高くして、物件を高く売りたい、という思いがある人が多いのも事実ですので、よく確認をしていきましょう。

賃料にばらつきがないか?

不動産業者から平均して家賃は5万円くらいです。と言われても、ひとつひとつの部屋がそれぞれいくらなのかよく確認していく必要があります。ある部屋では6万円で、ある部屋は4万円になっていませんか?それでも「平均5万円」になりますよね?

家賃は基本的には月日が経てば経つほど下がっていきます。なので、平均の家賃は5万円でも、大昔から10年以上住んでもらっている入居から6万円もらっていて、最近入居した人が4万円になっているケースというのはあり得ます。もし6万円の入居者が、物件購入後退去した場合、6万円で次の入居者を見つけることは難しいでしょう。

その場合家賃4万円でレントロールを自分で作りなおして「想定家賃」がいくらになるのか計算しなおすことをお勧めします。

また、入居時期と家賃に相関関係がなく、時々家賃が上がっているケースなどもあります。純粋にリフォームや設備投資などのポジティブな理由で、周辺相場と見てもおかしくない範囲で家賃を上げられていれば素晴らしいのですが、レントロールに載っている現状家賃を引き上げるためだけに、親族を住まわせているケースなどもあるので気をつけましょう。

入居時期が直近に固まっていないか?

レントロールで確認できる重要な情報の一つに「入居時期」があります。この入居時期を確認したときに直近に固まっていないか、要注意です。

物件を高く売るために「満室」という言葉は魔法の言葉です。満室=人気物件、経営が順調といったことになりますので、売り主は「満室」にして売りに出したいものです。

そのために、売りに出す直前にいろんな手を使って「満室」にする売り主は一定数いると思っておいた方がいいでしょう。悪質なところだと不動産業者の社員や親族を住まわせるパターンもあります。

家賃保証会社にちゃんと加入しているか?

この点もよくよく確認しましょう。家賃保証会社とは、入居者が家賃を滞納した際に家賃回収を代行、さらには契約によっては先立って大家に家賃を代わりに支払う機能を持った大変ありがたい会社です。

ただ、このような家賃保証会社も慈善事業ではありませんので、保証料を最初に払ってもらったり、入居者の審査を事前に行って「この人は大丈夫だろう」という人に入居してもらっています。

要は家賃保証会社無しに入居していると、

  • 入居者の審査が甘くなっている可能性がある
  • 家賃滞納に対して回収リスクが高い状態になっている

というダブルパンチを食らっている状況になります。また、入居者の審査を甘くしてとにかく「満室」にしている、という悪質なケースもあるので気をつけましょう。

敷金、礼金など入居条件は?

できれば入居時の条件も確認をしたいところです。これも「入居者の属性」「家賃の妥当性」を調べるうえで大切な情報です。敷金、礼金を下げれば、入居者の初期費用の負担が少なくなるので、当然入居付けはしやすくなります。

家賃相場が5万円の地域で、同じく5万円で貸しに出している、ということだけで「家賃は妥当である」と言えるでしょうか?

もし「敷金、礼金をそれぞれ1か月分」もらえるのが妥当な地域で、検討物件が「敷金、礼金を0にしていたら」それは、競争力が低い物件という見方ができます。また、「入居後フリーレント1か月」などとして高い家賃を取っている可能性もあります。入居条件を把握したうえで、物件の競争力を正しく確認しましょう。弱いからNG、ではなく弱いなら安く買いましょう。

まとめ 現地に行ってレントロール通りか、よく確認しよう!

最後は現地に行って、レントロール通りに入居されているのか確認しましょう。ガスの開栓はされているのか、電気のメーターはちゃんと回っているのか、郵便物はちゃんと受け取られているか?なども確かめるポイントになります。

レントロールは嘘をつこうと思えばつけてしまう資料です。実際に現地に言って確認をすることはとても大切ですので、ぜひ確認に行きましょう!

では、また!

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