皆さんマイホーム購入は検討していますか?もう買ったという方もまだ買っていないという方も絶対に知っておいたほうが良い考え方なのでぜひ読んでいってください。
家賃よりもローン返済額のほうが安いんだから、マイホーム一択!と考えているそこのあなた!
そんなあなたに送りたい記事です!
今払っている家賃よりローン返済のほうが安い、というセールストーク
ある友人が僕にある日本当に話してきた内容です。
「都心から少し離れた郊外に新築の一戸建てを買おうと思うんだよね。今築30年のマンションに賃貸に住んでいて、月11万円の家賃を払ってるんだけど、3000万円の一戸建てを35年のローンで買うと、月間8万円くらいのローン返済で済むんだって。3万円も月々の支払いが減って、35年後3000万円の不動産がそのまま自分の資産になるんだから、マイホームのほうが絶対お得だよね!」
この発言は正しいのでしょうか?いいえ、間違っています!ただ、間違っているのは「マイホームのほうがお得だよね?」という発言ではありません。「ローン返済と家賃を比べる」ことが間違っているのです。
この記事は、「マイホームのほうがお得!」「賃貸がお得!」ということを結論付けるつもりはありません。そしてマイホームに経済的価値でなく、個人の満足度を重視する、という価値観を否定するつもりもありません。
マイホームと賃貸を経済的な観点から比べるためのポイントを説明します。
本当に比べるべきなのは、住んでいる間の総収入と総支出の差額
マイホームと賃貸、どちらが得か!?を比べるときのポイントは、
「XX年後に住み終わったときに、居住にかかった支出と収入を比較する」です。
これ以外にはありません。家賃とローン返済は、同じようにお金が出て行っているかのように思われますが、全く特性が違うのです。注意してください。
賃貸の総収入と総支出
それではまず物件を賃貸した時の収入と支出です。
それではまず支出を見ていきましょう。
- 初期費用:敷金、礼金、火災保険料、家賃保証料
- 居住中の費用:家賃
- 退去時の費用:敷金の返還(収入にもなりうる可能性あり)、物を壊した時の原状回復費用
ほぼ皆さんが知っている費用じゃないでしょうか?そして原状回復費用は基本的に長く住めば住むほどかかりません。減価償却が進むと考えられており、価値が0になったものを直す必要は基本的に居住者はないのです。
そして収入は0です。厳密にいえば敷金が返ってくる可能性はありますが、出したお金が戻ってくることは基本的にありません。
持ち家の総収入と総支出
さて、次は持ち家の収入と支出を見ていきましょう。
- 初期費用:不動産業者への仲介手数料、登記費用、火災保険の加入費用、印紙代
- 所有中の支出:元本の返済、利子支払い、物件の修繕費用
- 退去時(売却時)の支出:不動産業者への仲介手数料、印紙代
どうですか?思ったよりも多くありませんか?初期費用は物件価格の7%ほど、退去時の費用は物件価格の3%ほどかかります。すなわち3000万円の物件を所有するためには300万円ほどの費用が掛かるのです。もし10年物件に住むとしたら1年間で30万円の出費、1か月25,000円の出費になります。決して小さくないですよね??
しかし持ち家は退却時収入があります。
退去時の収入:売却価格ー残債のキャッシュ
です。さて、この中で一番わからないものは何でしょうか?
正解は売却価格です。売却価格だけは誰にも正確なことは言えません。この売却価格が購入価格に対して高くなれば、保有期間中の真の家賃は0円どころか、お金をもらって住むことすらできます。
一方で売却価格が大きく下がれば、真の家賃は一気に高くなります。
ローン返済と家賃は比べても意味がない
さて、マイホームと賃貸の経済的合理性を比べた時に「ローン返済」と「家賃」は比較していないですよね?本来比べてはいけないものを比べて、「どっちが得?」「どっちが安い?」などという議論はできないのです。
そして事実としてマイホームは「売却価格」が全然わかりません。未来のことはだれにもわからないのです。大きく値段が上がれば、もしくは値段の落ち方が少しならば、マイホームはお得でしょうし、そうでなければ賃貸がお得でしょう。
皆さんもマイホームを「経済的合理性」の観点から買いたくなった場合はこの記事をもう一度読んでいただき、よく考えなおしてみましょう。
では、また!!
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